木造（2階建＋小屋裏）
共同住宅８世帯（2ＬＤＫ〜5ＬＤＫ）
敷地形状が入り組んでいると言う前提があり、その敷地にいかに目一杯の容積と駐車場を確保し共同住宅としての経営ベース、採算ベースを成立させるかという施主の設計条件がありました。
当初、ハウジングメーカー各社による計画案が何度も計画されましたが、どれも敷地中央に四角く建物を配置しただけで、敷地を生かせず建物を大きくすると駐車場がとれず、駐車場を取ると建物が小さく部屋数がとれない計画案でした。又、施主側の要望を計画案に組み入れると全てがオプション対応となり、設計監理料がかからないものの坪単価建設費が６０万円をはるかに越えてしまいました。
当事務所に計画の紹介があり、まず敷地を最大限に活かす事を前提に住棟を四つのブロックに分け、それぞれの屋根を有機的にかけて繋ぎ、一つの建物としました。あえて敷地なりの部屋構成を一部採用し、いくつかのポストモダン的手法を組み入れ、最大限に部屋数を確保し、駐車場を建物に対し放射状に配置しました。最終的には駐車場工事を含めて４６万円／坪という平成５年当時としては破格のコストパフォーマンスなアパート建築として誕生し、竣工と同時に満室の建物となりました。